この会社への思いを語るうえで欠かせないのは創業者であり父についてです。2023年10月、代表に在職中に66歳で亡くなりました。息子である私にとって会社の存在は身近でありました。ちょうど私が生まれた頃、創業は5年、まだ社員も5人ほど。まだ社長兼、営業マンであり、土日ともなれば父について行き分譲地近くの田んぼで遊んだり、自転車の練習をしたりといろいろな思い出があります。自分自身が小学校・中学校進学と成長するなかで会社も成長し、大きい会社ではありませんが30人くらいの方が働く会社となりました。同時に、会社と日常生活が昔と異なり、家庭内で父は“お父さん”という存在からはある意味一般的なパパとは違う“権威のある存在”になっていきました。
月日が流れ、私自身、結婚して子供ができて長男がようやく幼稚園に入園しはじめて社会という場に一人で足を踏み入れるとき、あることに気づきました。それは幼稚園バスに乗って通園する瞬間。わが子がバスで泣き叫ばないか、幼稚園に馴染めるか、給食を食べるか、不安になっている自分に気づきました。それを顧みて、父は会社のことが自分の子供のように気が気でなかったのではないかなと思います。それはちょうど父が亡くなって半年が経過した頃です。
自分のファミリーストーリーでもあるこの会社、支えてくれる社員をいかに守って全体の成長に導いていけるか、これが私の使命ではないかなと思います。長年かけて会社に蓄積してきた技術やお客様、お仕事上でのつながりを大切にしたうえでその先の成長があると思います。企業理念として“青い海を創造しオンリーワンを叫べ”ということを掲げておりますが、私の出発点はこの会社という存在への思いです。突然、船長が交代したなかではありますが、不動産・住宅を領域としてお客様が人生の主人公としてすばらしいストーリーを紡いでいく場を作る存在でありたい。お客様、社会に愛されるオンリーワン企業でありたいと思います。